SalesforceとOpenAIは戦略的提携を拡大し、Salesforceの「Agentforce 360」がChatGPT上で利用可能になります。これにより、CRMデータの参照やTableauによる可視化、Instant Checkoutを通じた会話型コマースなど、従業員と顧客の体験が“対話だけで完結”する新しい時代が幕を開けます。
※本記事は2025年10月13日に米国で公開されたWelcome to the Agentic Enterprise: With Agentforce 360, Salesforce Elevates Human Potential in the Age of AIの抄訳です。本記事の正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語が優先されます。
Salesforceの「Agentforce 360」が、OpenAIの「Apps in ChatGPT」を通じてChatGPT上で利用可能になりました。これにより、権限を持つ従業員は自然言語でCRMデータを照会し、Tableauによる可視化をそのまま会話内で確認できます。
従来のように画面を切り替えたり、レポートを手動で作成したりする必要がなくなり、営業やサポートの現場で即座にデータドリブンな意思決定を行うことが可能になります。
また、OpenAIのフロンティアモデル(GPT-5を含む)がAgentforce内の推奨モデルとして選択可能となり、PromptビルダーやAtlas推論エンジンのデフォルトLLMとしても活用されます。これにより、より精度の高い推論と自然な対話生成が実現されます。
コマース領域では、「Agentforce Commerce」がInstant CheckoutおよびAgentic Commerce Protocolと統合。EC事業者はChatGPT上で商品カタログを提示し、そのまま埋め込み型の決済機能を通じて購入を完結できます。
Stripeなどの決済プラットフォームと連携したトークン化支払いにより、データプライバシーを保ちながら、数億規模の潜在顧客にリーチ可能です。
消費者が購入意欲を示した瞬間にシームレスな取引へ導けるため、CVRの向上と運用コストの削減が期待されます。
さらに、Slackとの統合も強化されました。Slack上でChatGPTアプリやCodexが直接利用可能となり、チームは会話の要約や文章の下書き生成、自然言語によるコーディング指示(@Codexタグを使用)をワークフロー内で実行できます。
週8億人を超えるユーザー基盤と52億件超のメッセージ規模を背景に、従業員が日常的に利用する作業環境の中で、安全かつ高度な生成AIを活用できるようになります。
提供時期については、OpenAIフロンティアモデルが本日からAgentforce内で利用可能。Agentforce 360アプリおよびChatGPT内でのAgentforce Commerce機能は、今年後半の提供開始が予定されています。
【Reddit】は、サポートケースの46%を削減し、解決時間を84%短縮しました。平均応答時間は8.9分から1.4分へと大幅に改善されています。
「この効率化により、複雑な課題に対してオンデマンドでサポートを提供できるようになり、広告主の満足度が20%向上しました。さらに、営業チームは反復的な問い合わせ対応から解放されています」
と、営業戦略・運営担当副社長のジョン・トンプソン(John Thompson)氏は述べています。
【人材サービス大手のAdecco】では、一般的な勤務時間外に行われる候補者との会話のうち、51%をAIエージェントが対応しました。
「Agentforceによって大量の業務を自動化できるようになり、採用担当者の時間を戦略的に活用できるようになりました。これにより、より質の高い顧客エンゲージメントに集中できています」
と、IT&デジタルトランスフォーメーション担当シニアバイスプレジデントのピエール・マトゥシェ(Pierre Matuchet)氏は語ります。
【レストラン予約プラットフォームのOpenTable】では、顧客およびレストランからの問い合わせの70%をAIエージェントが自律的に解決しました。
「Agentforceは、ホスピタリティ業界が求める温かみあるサービスを実現してくれました。導入から数週間で、AIエージェントが問い合わせの70%を処理できるようになり、従来のチャットボットを大きく上回る成果を上げています」
と、グローバルカスタマーサクセス担当SVPのジョージ・ポコルニー(George Pokorny)氏は述べています。
【また、通信企業のEngine】では、処理時間を15%短縮し、年間200万ドル以上のコスト削減を達成しました。
「Agentforceは業界に変革をもたらす存在です。音声機能を活用することで、当社ならではのブランド体験を直接お客様に届け、信頼される会話を大規模に展開できるようになりました」
と、CEOのエリア・ウォーレン(Elia Wallen)氏は語りました。






