PayPayは2025年10月16日から、対象加盟店で利用できるデジタル商品券を1円単位で友人や家族に贈れる新機能「PayPayギフト」を開始する。
ちょっとしたお礼やお祝いなど、日常の“気持ちのギフト”をキャッシュレスで手軽に贈れる新たなサービスとして注目を集めている。
■ 使い方と特徴
PayPayギフトは、送る側がアプリ内で対象加盟店を選び、金額を1円単位で設定。メッセージやデザインを添えて送信するだけで完結する。
受け取った側は、アプリ内に自動登録される「PayPay商品券」として利用でき、対象店舗で自由に商品を選んで使うことができる。特定の商品を指定する必要がなく、受け取る人の好みに合わせた使い方が可能だ。
購入方法はPayPay残高、PayPayポイント、PayPayクレジットのいずれにも対応。支払い時には受け取った商品券が自動的に最優先で適用され、残額がある場合は次回以降に繰り越される。最大2枚までの併用が可能で、残高が不足した場合はPayPay残高やクレジットと自動で組み合わせて決済される仕組みだ。
■ 利用条件と注意点
PayPayギフトの有効期限は取得日から180日間。期限が近づくとプッシュ通知でリマインドされ、使い忘れを防げる設計となっている。
一方で、対象外となる商品・サービスがあるほか、加盟店によっては最低購入金額が設定される場合がある。また、送信上限額は本人確認(eKYC)の状況によって異なり、サービスは日本国内限定での提供となる。将来的な仕様変更の可能性も案内されている。
■ 加盟店へのメリット
加盟店にとっては導入のハードルが低い点が大きな強みだ。原則として新たなシステム開発やレジ操作の変更は不要で、既存の販売促進施策とは異なり、ユーザー同士の贈答によって利用が自然に広がることが期待されている。
一部の店舗では開発対応が発生する可能性もあるが、導入コストを抑えた形で新たな顧客接点を生み出せる見込みだ。
サービス開始時点の対象加盟店には「Coke ON」や「トイザらス・ベビーザらス」などが含まれ、今後も対応店舗を順次拡大していく予定だ。
■ “贈り物”をもっとカジュアルに
PayPayギフトは、個人間送金に続く「キャッシュレスギフト」市場の新しい試みとして、デジタル上での“気持ちを贈る”文化を広げることを狙う。
わずか1円から贈れる利便性と、アプリ内で完結するシームレスな体験が、これまでの「LINEギフト」などとは一線を画す新しい贈答習慣を生み出しそうだ。
