米PayPalは10月28日（現地時間）、米OpenAIとの提携を発表した。
OpenAIのオープンソースプロトコル「Agentic Commerce Protocol（ACP）」を採用し、加盟店向けに**「Instant Checkout」機能による決済処理をサポートする。
さらに、2026年からはChatGPT内で直接商品の支払いが可能**になる計画だという。
ACPの導入により、販売業者はChatGPT上で商品を提供できるようになる。
これにより、ユーザーはAIエージェントを活用したチャット内でのショッピング体験が可能になる。
さらに、Instant Checkout機能を使えば、ChatGPTを離れることなく、注文内容や配送情報、支払い手続きを確認して購入を完了できる。
PayPalとOpenAI、ChatGPT内での直接決済を実現 数千万加盟店が数タップで販売可能に
米PayPalは、OpenAIとの提携により、ChatGPT内でのショッピング体験を大幅に拡張すると発表した。これにより、PayPalの数千万の加盟店はChatGPTを通じて消費者とつながり、ユーザーはPayPalウォレットを利用して数タップで支払いを完了できるようになる。また、購入後もPayPalの買い手・売り手保護機能、配送追跡、紛争解決サービスなどが利用可能だ。
PayPalの社長兼CEO、アレックス・クリス氏は、「週に何億人もの人々がChatGPTを利用して商品を探しており、4億人以上がPayPalで買い物をしている。両社共通の顧客ベースのために、チャット内で数タップで決済が完了する体験を提供する」と述べた。
幅広い商品カタログを統合
今回の提携により、PayPalは中小企業から大手ブランドまでを含むグローバルなマーチャントネットワークをOpenAIのプラットフォームに接続する。
ACPの導入によって、アパレル、ファッション、美容、住宅改善、家電など幅広い製品がPayPalのACPサーバを通じてChatGPTコマースに統合される。
これにより、数百万の製品がChatGPT内で発見・購入可能になり、加盟店側で特別な作業は不要だ。
OpenAIにとっての利点
OpenAIは、日常的なタスクや商品検索に使われるChatGPTにPayPalの信頼性の高い決済機能と保護サービスを組み込むことで、ユーザー体験とプラットフォームの価値を大幅に向上させる。
サービスは**「間もなく開始」**され、ACPサーバ経由の製品カタログ統合は2026年に実現予定となっている。
他のパートナーシップとAI戦略の拡大
OpenAIはInstant Checkoutの発表に合わせ、米Stripeとの提携も明らかにしており、これによりユーザーは保存済みのカードや銀行口座を利用してEtsy加盟店での支払いも可能になる。
さらにPayPalは、コマース以外の領域でもAI戦略を拡大しており、2万4000人以上の従業員向けにChatGPT Enterpriseへのアクセスを拡大。
エンジニア向けにはコーディング支援AI「Codex」を活用するなど、OpenAIのAPI利用を幅広く推進する計画だ。
